映画日記
湯を沸かすほどの熱い愛
2016年に公開された映画です。「湯を沸かすほどの熱い愛」というタイトルにコメディを連想してしまったので映画館では観てません。あるお客様から「感動しました」と教えて頂いてから配信で初めて観たのですが、その後4回ほど観ました(笑)(好きな映画は何回も観てしまいます)
余命2ヶ月という宣告をされてからの双葉(宮沢りえ)が残された時間を懸命に生きる物語です。蒸発していた夫(オダギリジョー)を探し出し、休業していた銭湯を再開します。イジメにあっている娘(杉咲花)を「このまま逃げていてはなにも変わらない、立ち向かわないと」と説得します。2か月しかない余命の中で、旅先で出会った青年(松坂桃李)の苦しみからも目を背けずに受け止めます。
残された家族が強い絆で結ばれるように2ケ月を全力で生き抜いた女性の物語です。双葉という人間の迫力や凄さを華奢な宮沢りえが演じ切ってます。私は大好きな映画なのですが、ラストのシーンがホラーだと酷評する人もいました。(映画を観てどんな感じ方をするかはそれぞれの自由ですので、批判的な感想があって良いと思います)私はラストも大好きで、DVDも持っています。
ラストについては絶対書いてはいけないので(笑)もし観ていない方で気になった方は観てください。観て損はない映画だと思います。
(敬称略)
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「死」というものがいつ訪れるかわかりませんが、
「死」は誰にでも平等に訪れます。
亡くなり方や時期などを含めて考えると平等ではないのですが、
死なない人はいないので「死」そのものは誰にでも平等です。
2ヶ月という期限を切られたので主人公の双葉は
残りの2ヶ月をどう生きようか考えて行動するのですが、
ゴールがどこにあるとしても
自分の人生をどんなふうにしたいのかを決めて「今」を生きていくと、
必ず来るであろう「その時」に後悔しなくて済むのかな?なんて思います。
岸辺露伴ルーブルへ行く
現在公開されている『岸辺露伴ルーブルへ行く』を書くつもりで、昨日は『幸田露伴ルーブルへ行く』とタイトルに書いていたようです(汗)幸田露伴は実在した小説家で、こちらは映画の中に出てくる架空の人物。『ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない』に出てくる天才漫画家です。ジョジョに登場する人物を主役にした映画。スピンオフですね。岸辺露伴は「ヘブンズ・ドアー」という超・能力を持っていて、人の人生や記憶を本のようにして読んだり、書き換えることが出来ます。
原作が漫画なので子ども向けかと思ったら観客の年齢層は高かったです。感動するような作品ではないのですが、人の記憶を読めるという発想が面白かったです。記憶を読むシーンがすごいアナログでビックリしましたけどネタバレになるので書きません(笑)『岸辺露伴は動かない』というタイトルのドラマもやっていたみたいですね。テレビを観ないので知りませんでしたが。
高橋一生の飄々とした演技がよかったです。映画の実写版というのは原作ファンから酷評されますが、原作を読んでいないのでなんの違和感もなく楽しめました。
(敬称略)
レンタネコ
「レンタネコ」2012年に公開された映画で「かもめ食堂」と同じ監督の作品です。それは知らずに観たんですが、「かもめ食堂」と同じように何を伝えるでもなく、ただただ優しい映画だなぁと思ったら監督が同じでした。
「かもめ食堂」は原作があるので(群洋子)背景もしっかりしていてクオリティ高めですし、ロケ地がフィンランドなのでお金もかかっています。「レンタネコ」は原作はなく、監督が脚本を書いているのもあって軽い仕上がりなので、この映画は好き嫌いが分かれると思います。
実際、レビューでも「これは酷い」と酷評してる人がいました(笑)
私はこのゆるゆるな感じが好きですけど、芝居の出来ない小林克也に女装させて変なセリフ言わせるところは無い方が良かったと思います。(芝居の上手い”おばさん”にやらせて欲しかったなぁ)なので、この映画はあまり褒めちぎらずにおこうとおもいます。なんとなく寂しいときに観るといいかもしれないです。
市川美日子、いい味出してます。
リヤカーにネコ乗せて多摩川沿いを歩いてます(笑)
(敬称略)
ペンションメッツア
ペンションメッツアは映画ではなく、2021年にWOWWOWで放送されたドラマなので、観ている方も多いかもしれませんね。私は最近になって配信で鑑賞しましたが、1話からラスト7話まで一気に観てしまうほどハマりました。ペンションメッツアを営むテンコさん(小林聡美)と、そこに宿泊する人とのふれあいが描かれています。
1話は実写版ジブリ?のような世界でした。私は1話が一番好きなんですけど、この回はオチがあるので詳しく書けません(笑)不思議でとてもやさしい世界でした。
1話の常木(ツネキ)さん(役所広司)
1話のオチのシーンです(笑)
このドラマには悪人がひとりも出てきません。キャンプ場のシーンで空気を読めない変なおじさんは出てきますが、安心して観ていられるドラマです。現実とファンタジー?の境目が曖昧なので、よくわからない部分もあります(笑)でもなんかそれも含めて心地いい。
かもめ食堂でも不思議な役を演じてた、もたいまさこが森の妖精役ですが、セリフ無しです(笑)
書き始めて気が付きましたけど、観た人が好きなように感じればいいという作り方をしているので、このドラマの良さを説明するのは難しいです。特に嫌なことがあったわけでもないけど、なんだか最近疲れてるわ~ってときには不思議の森のペンション「ペンションメッツア」に行ってみてください(笑)
(敬称略)
かもめ食堂
2006年3月に公開されたあと、Netflixやhuluなどで配信されているので観ている人も多いのではないかと思います。
なんの繋がりもなかった三人がひょんなことで出会い、おにぎりを握っています。舞台はフィンランドのヘルシンキです。映画のことを書くときはどこまでなら内容を書いても許されるのか、すごく悩むのですが、17年前に劇場公開された作品なので時効ですよね(笑)
サチエ(小林聡美)とミドリ(片桐はいり)の出会いはガッチャマン。サチエが図書館でガッチャマンの歌詞を知ってますか?とミドリに声をかけて仲良くなります。みちくさ情報 ※ガッチャマンの歌は子門真人が歌っています。「およげたいやきくん」と言えば知らない人はいないですよね。
異国の地で食堂を営むサチエと風変わりなミドリがガッチャマンの歌詞をきっかけに出会い、それから間もなく旅行者のマサコ(もたいまさこ)が「私のスーツケースがないんです」と店にやってきます。風変り通り越して妖精のようなマサコ(もたいまさこは映画の中でもマサコ)もうわざとでしょこれ( ´艸`)風変わりな3人が纏っているちょっとおかしくて優しい空気が大好きで、15回は観てます(笑)
「平和」って多分こんなふうに何気なく過ぎていく毎日のことを言うのだと思う。
街の人たちも含めて、見も知らぬ人間同士が何かのきっかけで仲良くなっていくだけの映画。
深刻な問題がそれぞれの胸の中にはあるのかもしれないけれど、
ひとりひとりが前を向いている感じがしてとても好きな映画です。
マリメッコのお洋服が随所に出てきてました。フィンランドの企業だったんですね。
素敵なテキスタイルで、映画に彩を添えていました。
(敬称略)
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映画に限らずですが、
作品は「表現」なので、
観た人に「こう感じて欲しい」みたいな
欲が必ずどこかにあります。
あって良いんですけど、
そういうものを出来るだけ削ぎ落した映画は
観ていて疲れないです。
疲れないので、
17年の間に15回以上観てしまいました(笑)
風鈴みたいにどこかで鳴っているけれど
「いい音色だろ~?」と
押し付けてこない映画なので、
疲れたな~って時にそっと流しておくと、
優しい自分に戻れるような気がします。